東京と友達

 東京に出てきてたくさんの友達ができたのは言わずもがなである。


 高校の時に4人組で仲良くしていた子たちがいる。部活も趣味も容姿もバラバラ。共通点はまるでない。「なんでそこが仲良いの?」なんて言われることもしばしば。私たちも「なんでだろうね〜」と毎回言っていた。


 振り返ると、幼少期に仲良かった子たちとどうして仲良くなったのかと考えたことはない。なぜか知り合ってなぜが気が合ってどうしてか時間を共にするほどその仲は深まる。そんな、「幼さが育める友情」を彼女たちと持てていた。強いて言えば、食べることがみんな大好きだった。高校生がゆえの「安くてうまいものの素晴らしさ」みたいなものを共有できていた。量が多いとなおさら良いねというのも。


 彼女たちと出会って8年がたったらしい。時間は恐ろしい。歳だけ重ねて中身は何ひとつ変わっていない。今回もサイゼリアでお昼を食べた。高3の文化祭の前の日に行ったのと同じサイゼ。好きな人と食べるごはんはなによりも美味しい。


 大きく変わったことは立場のあれこれ。保育士として3年目を迎える子、スポーツクラブのインストラクターとして2年目を迎える子、母になって大学生を続ける子(アルバイトもして大忙し)、わたしはただの学生のまま。面と向かって言うようなことじゃないけど彼女たちはずっと大人に見える。話しても、ちゃんとしてるな〜なんて思う(ちゃんとしてなかったのに)。一緒に大人になれているかなと心配になったりもするけど、何も変わってないんだなと安心できる瞬間もある。

 

 高校生の時も毎日一緒にいたわけでもないし頻繁に遊んだわけでもないけれど、彼女たちとの関係はいまだに続いている。あの時みたいにたまに遊んでああだこうだとその場限りの話をする。酒を交わさなくても何を話したかとかは全然覚えてない。でもそれがとっても心地いい。たまに会うから話は尽きないし愛想もつかないんだと思う。

 

 私たちはこれからもきっとこんな感じで変わらない距離感で友情が続いていくんだと思う。東京に来てはじめてできた理由のない友達。そういう人と出会えて良かったな〜と思った。すぐに会おうと約束はできないけれどたぶん年1くらいで適当に会うんだろうな。そうしたいな。ビッグサンクスだ。